形見分けとは?遺品整理とは違います
形見分けとは、亡くなった人と関係が深いものを親族や友人へ贈るというものです。
ギフトと贈るのとは少しテイストが異なります。
これは故人の思い出を分かち合うという目的で行うとともに、故人を供養しようという気持ちを持って行うものです。
形見分けは、遺品整理とは異なります。
遺産整理は故人が残したものを整理整頓する目的で行うもので、残すものと処分するものを仕訳する作業です。
一方の形見分けは、故人の思い出を共有するために贈るもので処分する目的で贈るわけではありません。
形見分けで知っておきたいマナーとは?
形見分けでは、知っておきたいマナーがいくつかあります。
1つ目は、時期の目安です。
一般的には四十九日の法要を終えた後に行いますが、キリスト教の場合には1ヶ月目の命日で行われることが多いです。
遺品整理と合わせて行うのは時期的に早すぎるのでNGですが、時間をかけて贈る相手とものを選ぶことは大切なので、時間がかかってしまっても遅すぎることはありません。
2つ目のマナーは、目上の人へ贈るのはNGという点です。
親から子、上司から部下というように、目下の人に贈るのが一般的で、目上の人に対して贈るのは失礼に当たります。
ただしどうしても目上の人に贈りたい場合には、無礼を詫びる一言を添えれば問題はありません。
3つ目のマナーは、贈るものは故障しているものや、受け取る側の趣味に合わないものは選ばないという点です。
いくら故人にゆかりがあるものでも、壊れていたり使えないものは贈ってはいけません。
形見分けの方法は?
形見分けでは、受け取った相手がすぐに使える状態で贈るのがマナーです。
そのため、衣類を送るならクリーニングに出してから贈りましょう。
カバンやアクセサリー、時計などは修理する部分やメンテが必要な部分はしっかりお手入れした上で、すぐに使ってもらいやすい状態にしてから贈りたいものです。
場所を取らない宝石や貴金属は、形見分けの品として人気があります。
故人が使っていたものをクリーニングして贈っても良いですし、リメイクして贈るのもOKです。
ただし、高価すぎるものは受け取る人への負担となってしまうことがあります。
迷惑にならないように配慮することも、必要です。
写真やビデオも、形見分けとして人気があります。
基本的に、形見分けでは受け取る側は断ることはありません。
しかし写真やビデオの場合には、故人との思い出が鮮明に蘇るという理由で断る人もいます。
その場合、無理に押し付けることなく断る気持ちを理解して尊重しましょう。
もしも故人が趣味や研究などでコレクションをしていた場合には、その分野の知人などを選んで形見分けとして受け取ってもらうのがおすすめです。
受け取ってくれる相手がいない場合には、研究機関などへ供養の意味を込めて寄贈するのも良いでしょう。