一般的な贈り物の挨拶状
日本の風習の贈り物には「お中元」や「お歳暮」といった贈り物があります。アメリカやヨーロッパでは「クリスマス」や「バレンタイン」などがありますが、贈り物と一緒にカードも贈るのが一般的です。お中元やお歳暮を贈る際には挨拶状を贈るのが礼儀となっていますが、贈ったことがないという人は、もしかすると、相手に失礼な贈答を行っているかも知れません。
お中元やお歳暮に挨拶状は必要?
もう、毎年贈っている人だからと品物だけを贈っているという方もいるかも知れませんが、お中元やお歳暮を贈る際には挨拶状も一緒に送らないと本来失礼に当たる行為になります。せっかく感謝の気持ちを込め、これからも良い関係を築こうとしている相手なのに、逆効果になってしまうことも・・・。品物だけを送ることは、先方への挨拶を欠くことになり失礼にあたる行為になってしまいます。
挨拶状って何?
そもそも「挨拶状って、何を書けばいいのか分からない」と思っていいる人もいるかもしれません。そこで「挨拶状」について少し整理をしておきましょう。
「挨拶状」とは、お中元やお歳暮の品物に添える手紙や贈ったことを伝える手紙のことです。挨拶状によく似たものに「添え状」や「送り状」などがありますが、これも挨拶状の仲間だと思っていただいて構いません。では「添え状」や「送り状」にはどのような違いがあるのでしょう。
添え状
添え状とは贈り物と一緒に添える挨拶状のことで、贈り物と合わせて送ります。添え状は、例えば手紙や就職活動で履歴書を送るときなどにもマナーとして送ることがあります。添え状には
- 相手の名前
- 時候のあいさつ
- 相手への感謝の気持ちを綴る
- 贈り物について言及する
- 相手の健康や幸せを願う言葉を綴る
- 日付・著名をする
などを記載しましょう。しかし最近は、簡易的にもなってきて、贈り物を購入したショップでカード式の添え状を付けてくれるところも増えているのでそれを利用しても問題はないでしょう。
送り状
送り状は贈り物を贈る前に、送付する挨拶状のことで、直接出向くことができないための挨拶の代わりになります。また贈り物の内容によっては事前に到着日を知らせる送り状を活用しましょう。例えば生ものや果物などを贈るとき、相手の都合がつかず受け取りまでに時間がかかってしまい、腐らせてしまう恐れがある場合などです。さらに送り状はよくビジネスシーンで会社が取引先にお中元やお歳暮を贈る際のマナーとして、封をした手紙を用いて送ったりもします。
お中元・お歳暮の挨拶状の書き方
お中元の挨拶状
お中元の挨拶状についてですが「拝啓」、「猛暑の候」といった文章が欠けていてはいけません。
相手を敬って挨拶状を出すのですから「目上に対する気遣い」を文章に込めないといけないのです。
拝啓は、かしこまって挨拶をする際に用いられます。そして、猛暑の候というのは「猛暑のため辛い日が多いかと存じますが・・・」という気遣いになります。
何気ないこのような気遣いがあることで、目上の方も「細かいことに気を配ってくれるのか」・・・と感心するわけです。逆に、これらの文章が欠けてしまっていると「贈答品に関する案内が中心」となってしまい、なにを想って贈答品を贈っているのか感謝の気持ちが欠けてしまうので注意しましょう。
お歳暮の挨拶状
お歳暮の挨拶状についても同じことが言えます。
お歳暮の場合、「謹啓」、「何かとご多忙のことと存じます」という文章が重要になってきます。
謹啓は、お歳暮の挨拶状で必ず使われている文章でもあり、すでに親しい相手に対しても「あらたまって礼儀を示す」際に用いられています。
謹啓の意味そのものは、「つつしんで申し上げます」という意味なのですが、なにをつつしんでいるのか?というと、「年」そのものに対してです。
例えば、謹啓の後に「いよいよ年の瀬も迫り」と続く場合は、年の瀬も迫りつつありますので、贈答品、挨拶状を贈らせていただきますという意味になります。
お歳暮の場合は年そのものに対して、なにかしらの念を込めて贈答品を贈っておりますので、これらの文章が欠けてしまわないように注意しましょう。
「何かとご多忙のことと存じます」というのは、お互いの苦労に対する気遣いとなります。お互いに苦労しているが、それでもお歳暮を通じて労いたい、親密になりたい・・・という意志を表しています。挨拶状の中にこのような労いの言葉があったほうが、贈答品を貰うだけでなく、礼儀正しい人の気持ち(配慮)もいただいたなと気持ちが伝わるのです。
その他の贈り物の挨拶状
ここではその他の挨拶状として結婚式の場合を取り上げて紹介しましょう。特別な贈り物を贈る際は、お中元やお歳暮とは違った挨拶状になります。
結婚の挨拶状は「ご清祥のこととお慶び申し上げます」という文章が重要になってきます。
結婚式の華やかさ、そして、これからの幸せを讃える際に用いられる文章なので、このような文章が欠けてしまわないように注意してください。
まとめ
今回は贈り物に付随する「挨拶状」についてご紹介してきました。近しい間柄の人に対しては、メールや電話で代わりとすることもありますが、初めて贈り物をする場合や目上の人、ビジネスシーンなどで贈り物をする場合は、礼儀やマナーとして「挨拶状」を必ず送るようにしましょう。
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